とるにたらないこと

できるだけ正直に、ありのままに書きます

冷麺のこと

冷やし中華が始まってしまった。近所のスーパーでも、最寄りのコンビニでも。

 

というのも、私は、夏場に、冷やし中華しか食べない。

去年もその無限地獄で大変だった。昼ごはんはもう、あのメーカの、醤油だれのものしか食べられない。具は、大人の分別で炭水化物だけだといけないと、辛うじてゆで卵を添え、申し訳程度にゴマを振っていたけど、とにかくもうアレだけを食べ続けることになる。

 

それはコンビニで売っている麺がのびてふにゃにゃになっているものでは代用が効かず、ちゃんと熱湯で2分半茹でて氷でキンキンに冷やしたものでなければならなかった。また、ラーメン屋さんで食べられる本格派っぽいハムやキュウリや錦糸玉子などと色々添えられているものでも絶対にダメなのだ。

 

このことで困ったことは主に2つ。昼にお腹が空いたら家に帰らなければいけないこと。これは別にいい。暇だし、たいていは家にいる。もう1つが決定的に困った。私はまだまだ飽きていないのに、秋の訪れとともに、いつの間にかあいつは姿を消すのだ。何も言わず、静かに消えていく。はじまるときは「冷やし中華はじめました!」などと大々的に、さあ!夏が!やってきますので!どうぞ!ほら!と威勢がいいのに、終わる時は何も言わずひっそりと姿を消してしまう。あんなに品揃えの良いマツモトでさえ、陳列棚の片隅にちょこっと3つくらい置いておいてくれたらいいものを、気温が少し下がったとたんに「本格派ご当地ラーメン」や「煮込みうどん」に取って代わられた。店員さんに直訴してもダメだった。私の持ちうるネットの知識を総動員してアレを取り寄せようとしたのだけど検索に引っかかるのは「盛岡冷麺」だとか「韓国冷麺」だとか「ダイエットに最適!コンニャク冷麺」だとかもうパソコンを窓から投げ捨てたくなるような全く別の代物ばかりで、メーカーのHPをあたっても、個人販売はしてませんだとか、もっとよく見ると夏季限定商品で、卸売ですら秋にはストップしていることが判明した。

 

諦められなかった私はクックパッド先生にご意見を伺い、自分であの醤油だれを調合を再現することにした。成功した。麺はマツモトで単品でそれっぽいものが売っていたので代用できた。

 

調合は既存のタレと比較してかなりの手間でだったが、それを厭わず冬の入り口まで粘り強く作っては食べ続けた。ある日、調合の手間が嫌になって諦めるまで、とにかく半年以上冷やし中華一択だった。

 

 

ということでいつ自分の冷やし中華を始めようかとても悩んでいる。ほとんど中毒で、一度食べてしまったら後戻りできないので、今年は辞めておこうと毎年毎年思いつつも、まあ、ちょっとくらいなら大丈夫かな、と思ってしまう。